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結局、祖父に帰っておいでと言われたのを思い出し、岩手へ向かう道中。山形新幹線の運休による代行として、山形線では臨時快速が2往復設定されました。うち1本が、ちょうどいい時間に接続していたので、白石・岩沼へ向かう予定だったところを、山形・仙山線ルートに変更しました。
まさかのエキストラステージです。
もう「乗るしかねぇ」って思っちゃったら最後です。こういうところに負けず嫌いと乗り鉄とBVE製作者としての使命感が同居して大変なんですよ、本当。
スマホでPCM録音アプリを開き、発車放送を録音(普通に「米沢方面の~」のタイプでした)して、そのまま車内放送を録音するためにスマホを窓脇へ。乗車率は20%ほどで、殆ど鉄道オタク専用列車でした。面白い。
新アプローチ線に切り替わっていたので、BVEとは違って「元・機関区」の脇まで徐行運転。従来のアプローチ線が合流して、転線したところで快速はグングンと加速していきます。初手から100km/hまで飛ばして笹木野を通過し、続く庭坂も90km/hほどで通過。新幹線救済臨時なので、ちょっとした特別感。
列車はそのままノンストップで板谷峠に突入し、通常よりもやや鈍足で峠を越えました。そして米沢盆地に入ったところで、時間調整による運転停車イベント。この日は単なる時間調整でしたが、別の日では米沢方面からのつばさ通過待ちでの停車。お盆期間中に設定された臨時つばさが当該らしく、12日は運休でした。
米沢まではおよそ40分ほど。あっという間の峠越えでした。
このまま引き続き山形行きで719系に乗り換え、仙山線経由で仙台に戻り、大正義701系に揺られて奥州の祖父母宅へ転がり込みました。PR -
◆休刊の件
ブログのコンセプトは「誰も読んでいない」です。ここ重要。
旅行帰りの途中から頭痛・発熱・のどの痛みを発症し、一時40℃近くまで体温が急上昇し、本気で死を覚悟しました。二度救急車に運ばれ、二度採血し、二度点滴を受けたので、両腕に4つの穴が開く。とんでもねぇ。
病名は「咽頭炎」でした。コロナ・インフルはどちらも陰性で助かったんですが、喉に裂傷があるみたいなレベルの痛みがあったりで、夏季休暇を1週間延長することになっていました。苦痛としては明らかにコロナより咽頭炎でした。コロナでは我慢できたのにコッチではうなされるという時点で、明らかにキツい一週間半を過ごしたのでありました。
実は発症する前に、小岩井農場付近の林道を歩いていたら至近距離でクマと出会っていたわけで。その時も死ぬんじゃないかと焦って杞憂に終わるんですが、振り返ってみれば、ひょっとしたらあのクマは、後々訪れる災難への警告を背中で語っていたのかもしれないと、思いました。
クマの件はまた後程。
◆くだらない話
歳の差って縮められないから、「おまえはその人の役に立てないぞ」って、越えられない壁に直面して気持ちがしんどいよな。その人の一助になれる人間だったらよかったのに、って時々そう思っては病んだり止んだりしてます。きっとくだらない話だ。
画面越しだから本当の気持ちは全くわからなくて当たり前だけど、喜んでくれてるならそれでいいかな。そんな自分を気持ち悪いと思うか、肯定して前向きになれるかでも、生活の質って結構変わる。俺はもう懲りたし諦観してるけど、自分で自分の首を絞めるのが好きらしいので、また人間やめて、ふとした時に、また戻ってきます。
一瞬の怠惰ですべてを失ったのがここ数年前にあって、その時すらも「近いうちに死ぬんじゃないか」と思ってて(精神だけ叩き壊してどこか遠くに魂を飛ばしたくなった)。それでも生きちゃってるから、艦これも今だ続けられてるし、StaffRoomを通して「誰かと共作する」ことに「ちょっと、いいかも」と思えて。この時に改めて包丁を背中に突き付けられる感覚を自覚させられるんですが「どうやら自分は普通の生活ができないみたい」とか「結婚はウタカタのような夢だった」とか、眩暈を起こしそうになるぐらいグワングワンと脳髄を巡っていくんです。「あの作品を身近の誰かと共有できる喜び」も、どうやら自分には許されているわけではないらしい。
結局「何が悪かったのか」って犯人捜しより、ただ「そういうシナリオを神様から手渡された」に過ぎなかったという。まるでエル●ャダイの「神は言っているここで死ぬ定めではないと」とかいうネットスラングに完全にやられたな。
高校生の時は将来の不安(鉄道マンを諦めたことによる進路迷子)、大学生時代はお金絡み(主に学費を現金で目の前に叩きつける、半ば脅しと捉えてしまう励まし)で、なるべく人様に迷惑をかけずひっそり命を絶ってやろうみたいなことはありましたが、そう、俺は臆病なんでそんなことできるはずもなく。そういう時期が「ダーク作品」や「人間ドラマ作品」に傾倒していくキッカケになったり、「凛として時雨」や「ワンオク」「ノベンバ」「シロップ」「ピープル」といった「音楽を爆音で聴く逃げ道」に辿り着いたことで徐々に病みを改善していくんですが、結局うまくいかず。社会人になって好きになった人と付き合って籍入れて、その後会社にボロクソにされ(幼少期から治せない癖と、矯正の強制に常識の押し付け)、薬(抑うつ、睡眠薬など)と過食で太り、自宅が会社みたいに感じて居心地が悪くなり、離婚して20キロ痩せる。そして彼女はその後もできたけど結局続かなかったので、その時点で俺はもう一人で生きていくしかできないやって諦観。
でも一応、今も今で、新たな創作ができて、これまでの経験や見てきた世界をそのまま、作品に落とし込めるようになった時は「生き残れてよかった」と思います。周囲にこれまで似たような境遇の人が殆どおらず、自分だけが抱えてる心の問題だという事実だけは変わらないけれど、誰かと何かを出来ている今のうちは、まだ大丈夫そう。けれどダメなものはもうダメで、改善よりも向き合うしか手段が無くなってしまいました。
話が重くなってしまった。次の話題はライトです。
◆音楽の話(ALKALOID×TK・東京スカパラダイスオーケストラvsTK)ほか
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凛として時雨に生かされている人間です、どうも。
武道館ライブの失神蠍、みんな楽しんでいってください。
ちゃんと聴いたのはつい先日。楽曲提供系は興味持つのに時間がかかるタイプなので、総じてこういう系はスルメ感覚ばかりなんですが。
TKの楽曲提供についてはいくらか聴いてるんですけど、やはり最初の一音から「時雨だ」ってなるし、彼が介入すればみんな歌い方がTKに寄っちゃう。「楽曲提供系」の作品は、提供先のアーティストの知らない部分・今までとは違う歌い方を引き出してくれるから、面白いよなって思います。
「Black Out See Saw」
あんスタは一時期プレイしていたので、凛として時雨の公式アカウントからこの告知があった時は組み合わせすら面白過ぎた。曲はTKの色が全開だった。
「クローズド・アーカイヴ」
というか、MAPPAがアニメーションを担当しているマーロ17の広告も相まって、隙が詰まってて普通に好きです。ジャズやクラシックはビターな大人向け音楽ってイメージが強いので、あの頃の初期衝動に沸騰していた凛として時雨が、彼らとセッションする形で関わることになったのも「貫禄がある」と思えます。
「Awake」
RWBYは追っかけていたので、2Dアニメ化してTKが関わって来るとは思わなかったので、こちらも好きと好きが正面衝突していました。リアタイしてたのが懐かしい。冬の深夜に聴きたい楽曲。
「nano TK kaleidoscope Remix」
CDで欲しがるタイプの人間なので、YouTubeで聴くに留まってる昨今。そろそろ手元に音源を入手して聴きたいところです。
◆新作告知
遅くなりましたが、こちらStaffRoomシリーズの新作です。予告PVになります。
体調を崩す、機材面のトラブル等で、「石田氏が絡むと魔も一緒に絡んでくる」「お祓いしてもらったほうがいいんじゃないか」とツッコまれるんじゃないかってぐらい、この夏の新作づくりは苦行(というより受難)でした。けれど、依頼していた音声の納品が有ったりすると、舞い上がるくらいには元気になれたので、作業している間はかなり楽しいです。おかげで予定に入れていなかった予告PVを作ることができました。
ざっくりあらすじですが、看板娘のちひろと、その友人すみれが出会い、現在に至る話です。作中では「早巴ちひろ」と「亘李すみれ」を名乗っていますが、実際は自分と同じくハンドルネームみたいな扱いで、本名はそれぞれ「早友千尋」と「亘理純恋」。読みは同じです。だいぶ時間がかかっている本作ですが、声優陣との綿密な打ち合わせを行いながら、モブキャラと千尋の一部を除いてほぼ収録は完了しています。残っているアフレコも道草しながらですが、順調に進んでいます。このままうまくいけば、2025年・秋より公開です。オープニングとエンディングにあたる部分は、オリジナル楽曲が充てられる予定。
ちなみにこちら、Xのアカウントを持っていないため、宣伝はインスタかブログぐらいに限定されています。なので、ホームページを見に行かないと情報がわからないという制約があるのですが、ちひろ担当の宇沙美リトさんと、すみれ担当の鳴眞先生が、ちょくちょくと宣伝させていただいてます。本当にありがとうございます。どんどん実績としてPRしていってください。 -
2025.8.23 休刊のお知らせ
体調不良のため、8月24日は休刊になります。
◆一人になってもまた旅に出る
学校に行かない人たちがうらやましいと思うことは結構ある。自分の意志で「不登校」を選択することは、「将来」という二文字を人質にしてでも屈せず、自らの防衛本能に忠実だから。色々な事情があるにしても、俺みたいに「嫌でも我慢して学校に行く」という考えを「6年+3年」と続けてきた結果、今はちょっとのフラストレーションでも我慢ならず壊れやすくなっていて。家庭では「学校に行かないこと=悪」という認識が、こっぴどく植え付けられていたので、それなりに学力知識は、遅かれど身に着けることはできた。のだけど、人間関係まではどうあがいてもうまくいかず。芸術家やアーティスト気質なタイプは、個人差があるとはいえ、生涯を通して自ら首を絞め続けるものかもしれない。それでも家庭を持つ人は周りに結構いるし(ノベンバのコバさんとか、ワンオクのメンバーとか)、全員が全員そうじゃないのはわかっている。けども。
人付き合いは、問題解決型よりも共感型タイプのほうが結構うまくいきやすい傾向にあるようで、それでも限度は存在するが、そういう相手がいるほうがモチベーションはわりと上々ではある。何が言いたいかってことなんですけどね――。
人は一人でも生きていけるし、一人になっても旅ぐらいはできるってことです。
Syrup16g「ラファータ」
Syrup16g「upside down」
◆晩夏ソング特集
夏の後半ということで、個人的な晩夏ソングをピックアップ。秋へのシームレスな移り変わりに焦がれる毎夏ですが、今や季節は春夏夏冬。死ぬな、秋。
「星屑のインターリュード」
天体のメソッドEDテーマ曲。めっちゃ好きな作品でした。
「うたかた花火」
NARUTO疾風伝のペイン編あたりのED。最近になって歌ってるのがやなぎなぎだと知って軽くビックリしてました。十年以上前に麻枝准×やなぎなぎの「終わりの惑星のLoveSong」で存在を知って以来、遅れて認知したので逕庭拳をもらった気分。
「止マレ!」
ブルーレイボックスでエンドレスエイトを観たときの苦行ね、忘れられないけど、これがのちの消失に繋がる演出となると面白い試みだったですわ。今は懐かしさを感じるという意味で「いい曲」だと思います。
「奈落の花」
ひぐらし出題編が初夏とするなら、解答編は晩夏。物語の始まりと終わり、という点で感じ取る雰囲気はそんなところ。アウトロに哀しき情緒と完結に至る終末観がある。けど数年後に業と卒へ続く。
「Brave Song」
高校生時代が少年期のハイライトだったので、このころから見ていたアニメの主題歌などは結構思い入れが深く、今でも聞いているものが多い。これの多田葵バージョン(原曲)もいいけど、ブルース調なギターのソロパートがマジックアワーとよく似合う。
どこまで現在がボロクソになってても、ハイライトだったあの時代が記憶に刻まれてるから、今も何かと生きている感じはする。病んだりしても、苦みが残ろうが思い出したくなかろうが、周りからどんどん人がいなくなっていこうが、それでもしぶとく生き残っちゃうわけ。
今も昔も先なんて全く見えないし、ふとした瞬間に消えてしまうんじゃないかって死生観に捕らわれることもある。けどきっとこの先、10年後20年後も、よき出会いや新たな楽しみが生まれていくと予感できれば、まだまだやっていけそうです。
◆新作動画
重い話になったけど、そんなこんなで作らせていただいた動画です。
長編ドラマが思った以上に時間かかりそうだと、月間投稿を続けている創作「StaffRoom」シリーズに穴は空けられないと感じていたので、亘李すみれ役の鳴眞先生に提案書をお送りして、収録していただきました。鳴眞先生自身も「どうでしょう」はいくつかご視聴されているとのことですが「車内でクリスマスパーティー」はお初。お互い「こういうテーマで作りたい!」と「やってみたい!」が共鳴共感し合って完成した、ある意味での奇跡的な一作になりました。
ご視聴の方は、ネットフリックス(ほか視聴可能な媒体)をご用意して、ご覧になられてはいかがでしょうか?
自身の気分によって作品の明暗が分かれるんですが、最近はもっぱらネット声優(ボイスコ)さんとタッグを組んでアレコレ作ることで、明るい気持ちを維持できているようです。
MMDドラマを制作しているときは、個人作業・脚本の世界観の都合で、自分の負の側面が反映されるゆえに、かなり殺伐としながら作業しているので、負のエネルギーは計り知れない。だからといって「闇」を手放すことはしないので、あのダークな艦これMMDドラマ作品がまた1本上がった際は「いつもの石田が戻ってきたな」と思っていただけますと、なお幸いです。あっちはあっちで視聴者全員が緊張感エグくてコメントを全く入れてくれないのでね。
◆ファンパレ進捗
あれから結構進みました。実装されたら絶対仲間に欲しい!!と思っていた脹相が10連ガチャ2周目できてくれるなんてありがたさ。確定演出が「どけ!俺はお兄ちゃんだぞ!」は不覚にも笑ってしまった。あとは学生ナナミン&家入さんも試したけど結局出てこず。ちなみに、脹相と虎杖の特殊掛け合いはなかったので、これはまた後日になりそう。 -
◆山形線取材旅行・米沢編(終)
BVE5奥羽本線(山形線)Ver1.00 8/11 公開
庭坂の南側でやっぱりクマが出たそうです(何度も言われてることなので今更だと思う)。鈴装備して自衛はある意味正解だったかも。早朝だし騒音になるからって気遣うのは意味がない。いろいろと考えさせられた。
福島~庭坂駅間の区間列車って、「JR東日本の路線」って感覚がまったくない。どちらかといえば、地方私鉄。アプローチ線新設工事・大雪の運休などでは、有事となるとかなり柔軟に対応しています。周辺の別路線や私鉄と違って、そこらへんに謎のスピード感があります。実際はそうじゃないのだろうけど、結構不思議な性格をしているんでよね。年に一度は上杉まつりで下りの片道に臨時快速を走らせるし、新幹線側で不都合があれば救済臨時を出す。当たり前のように見えるけど、山形線は特にその点で特異。(盆期間も救済で米沢-福島で快速を2往復運転)福島市街地と板谷峠で、急激な人口差がある所以なのか。そういった面の魅力にもとりつかれ、気づけばBVEが米沢まで開通する始末です。実際は青陽電鉄の技術向上として練習用に作った路線でしたが、Xでなんとなく進捗を投げていたら意外と反響をいただきまして。あと、自分がもともとトンネル・廃線好きということも後押しし、いろいろ勉強しながら作らせていただきました。探求心と皆様の応援に感謝を。というわけで、一週間の休憩を挟みまして、山形線取材旅行の後半戦です。BVEアドオンも公開予定日間近なので、主食「BVE」に対して副菜の「取材旅行日誌」を提供します。
◆ラスボス・米沢を攻略する(?)
1320発 峠→米沢 普通米沢
乗り換え駅でしたが、今回は下車駅。ホームを兎に角撮影しまくる。
乗ってきた列車はそのまま留置線へ。このあと福島行きになります。4時間近く、ずっとクーラーをガンガンに回してました。
ここまで来たのはいいが、肝心の米沢駅は半分工事中。しっくりこないオチ。
米坂線ホームを撮影して回っていると、たまたまエンジン始動が見れました。よく見ると給油施設もある。
つばさはE3系のみが往復。ちょうど銀つばがピストンだったので、時折見かけました。
牛肉どまん中を食す。米沢牛の弁当屋は閉まってました。
最終的に撮影は2時間ちょっとで終わったので、クーラーの効いた待合室で残り時間は昼寝。この間に、山形行きワンマンと新幹線が何本も出ていくのでした。
さて、17時の便で再び板谷峠を越えて福島へ。置賜(おいたま)には行かず、福島方面へおいとまします。おあとがよろしいようで。
まだまだ陽の高い、夕暮れの山形線です。芳ヶ沢トンネルを抜けると福島市街地が眼下に広がります。姨捨に似た絶景を目にしたときは「福島に帰ってきた」という一種の郷想感に駆られました。帰るのは大宮なんだけどさ。
窓を開けて力餅を購入するミッションも達成。今回はオール真っ白でした。真冬に頂いた時は紅白仕様。こちらが通常モードらしい。おいしくいただきました。
そんなこんなで、板谷峠と米沢駅を攻略完了。福島からは、ちょうど新白河までの直行便があったので、E721系に揺られて帰還。ほとんど爆睡していました。
1845発 福島→新白河 普通新白河
2123発 新白河→黒磯 普通黒磯
2151発 黒磯→宇都宮 普通宇都宮
2242発 宇都宮→大宮 普通大宮
ちょっとした役に立たない山形線情報
・回送は630に福島を発車し、639頃庭坂に到着。車掌は先頭車に乗務
・庭坂始発は流しノッチで発車
・福島発はP3→ATS-P点灯→P5で運転
・笹木野-庭坂間は105km/hで爆走
・放送は先頭車でも、運転士横の電話機から放送
・現行の米坂線は、当駅どまりが5番線着、米沢始発は4番線から出発(らしい)。
ということで、山形線を堪能した上半期。719系の動向は気になりますが、いずれまた、次の機会に! -
◆Fear, and Lothing in Las Vegas は肌感覚で聴いている。
だから、時々挟まれる日本語詞にはドキッとくるし、キャッチーな歌い方をするからそこにエモ(情緒)を感じる。ということで、音楽の再評価。細かいマニアックなネタは置いて(話すと長くなっちゃうから)、ラスベガスのアルバムと一部シングルの感想を書きます。Fear, and Lothing in Las Vegas(以下:ベガス)との出会いは、高校生の頃。土曜日の午前中にアニメ「HUNTER×HUNTER」を偶然見かけたときで、エンディングが何を言ってるのか分からず、そこが逆に気になってしまったから。その曲とはJustAwakeなんですけど、MVは全編英語詞だったので違和感が。そこから次に聴いたのが「Jump Around」と「Scream hard as you can」だったんですが、後者の楽曲で完全に沼に落とされました。めっちゃカッコいい転調だなと思って。ゴリゴリのギターロックで、サビ前のキーボードがいい味を出してる。途中の具レイクダウンでminamiのデスボイスとシャウトが入ると、いきなりEDMに変身。MVの背景もボーカロイドみたいなデジタル調に変わり、その変化の激しさで虜になってしまいました。初めて聞いたときは本当に「え?」って具合で脳細胞が楽曲の変化に追いつけないという、後にも先にも感じたことない初めてのリアクション。パソコンで例えるとF5連打しまくってフリーズする、みたいな。「Scream hard as you can」
「Jump Around」
こちらは打って変わり、俺の中の、夏ソング一角。こちらも転調と同時にMV映像も美しい南国の夕陽みたいな変化があって、気持ちがいい。飛び跳ねるような曲調が、助走をつけて疾走する。ちょっとハワイアンな感じがする。不思議。では、再評価はいります(個人差があります)。前述したように肌感覚で聴いてるタイプなので、曲名も覚えていたりそうじゃなかったり。でも追っかけてます。
1.Dance & Scream ☆★★★★初期から既に方向性が定まっているとあるように、ダンスミュージック要素が強く、イントロはワクワクするようなものが多い。今ではほとんどの曲が3分強で、カップラーメンを待ってる間に1曲聴ける感じだけど、この頃は4分超える曲がチラホラと。「Burn the Disco Floor with Your "2-step"!!」「Stray in Chaos」「Love at First Sight」が好き。
この曲は初期ベガスの傑作なんじゃないかと思う。
2.NEXTREME ★★★★★大好きな「Jump Around」と「Believe Yourself」「Short but Seems Long, Time of Our Life」が入っている。「Chase the Light!」はアニメカイジの主題歌で、こちらもMVが面白い。後半のブレイクダウンでminamiのデスボイス、からSoの爽やかな歌い上げというドラマチックな展開。いくつかは和訳も調べているけど、いわゆる「エモ」「感傷」にパラメータを振っている感じ。「Believe Yourself」はSoのオートチューン無し、生声でバラード交じりだし、ラストを飾る「Short but Seems Long, Time of Our Life」も情に訴えてくる。曲全体を通して、ベガスのアルバムとしてはややネガティブで曇り空な雰囲気を感じる曲が大半を占めている印象です。ミニアルバムなので気軽にフル視聴できるし、個人的には自身の性格も含めて、哀しい気持ちを抱いているときとかに聞くと結構沁みる。
3.All That We Have Now ☆★★★★俺の始まりのベガス。レンチキュラー仕様の派手で綺麗なジャケットアートで衝撃を受けたし、このジャケアートに負けないレベルで1曲目からフルスロットルなものだから、すぐに引き込まれてしまった。高校生時代、それも音楽より電車のほうに興味が強かった時代。ベガスを知る前は、藍坊主とかビートルズとかの世界にいたので、ここまでけたたましい音が鳴り響くアルバムを聴いたのは生まれて初めてだっただけに、強炭酸のサイダーとかコーラとかCCレモンをずっと浴びせられてる感じだった。「こんな音楽がこの世にあるのか」的な。全曲お気に入りなので、個別の感想は控えさせていただきたく。
4.Rave-up Tonight ☆★★★★ベースのMashuが脱退するニュースを聞いた。耳が肥えてないせいかもだけど、ベースの音があまり聞こえている感じがしなくて、そこに引っかかっていた印象もあった。後年Mashu含めたインタビュー冊子でも彼だけちょっと暗かったし、そのころからベガスのペースに追いつけなくなってたのかなと。かなりストイックに音作りをしていると聴いて自分もヒエッってなったので、多分俺もMashuと感覚は似ているかもしれない。当時は、メンバーのことも、彼らの作曲の姿勢も、殆どが謎に包まれていましたから(メディアの露出がかなり抑えられていた)。そして新メンバーにkeiが加入して、開け放たれた新生ベガス第一弾が「Rave-up Tonight」だったけど、Soのキーが上がる、Sxunがコーラスで入ってる、Taikiがアメリカ人みたいな格好をしている、Minamiのシャウトで「戻ってきた!」と感激し、新メンバーkeiの「スラップベース」で男心を唸らせる。この一連の流れるほんの数十秒でやってのける、最新情報の多さに圧倒。中盤でのMinamiソロパートがエグすぎてCPUがすっと呆然としていた。前作「All That We Have Now」を大きく飛び越えた新曲で、ベガスの新たな可能性にワクワクさせられました。いやぁ、あのころ初めて聞いた時の衝撃はすごかった。ちなみに「The Courage to Take Action」のTaikiが好きでな。
5.PHASE 2 ★★★★★★めっっっちゃ好きです。このアルバム。
前作「Rave-up Tonight」を含めて、よりブラッシュアップされた感じ。余分な脂肪を落としたような作品。非の打ち所がないだけに、語る量も少ない。曲としては「Thunderclap」のMVと展開がベガスの中でもトップ3に入るぐらいは今でも超気に入ってるし(Minamiのショルダーキーボードでまたしても脳が理解を止める)、当時アニメで観ていたブリュンヒルデのOP「Virtue and Vice」は農夫のTaikiと木に登るSoがツボだったし、「Nail the Shit Down」「Rain Inside Your Eyes」「Flutter of Cherry Blossom」はエモすぎてたまらん。ラストは7分超えの「Stay as Who You Are」。始まりから終わりまで完璧。今まで本気でやっていた分、メンバー脱退もあり、方向性も以前よりかっちりして余裕ができたのだろうか、要所要所でネタをぶち込み視聴者を笑わせにくるので、ギャグとカッコいいとシリアスがせめぎ合っている。彼らも本当の意味でユーモアを覚えたのだろうな。
6.Let Me Hear ★★★★★Taikiが船長になったシングル。寄生獣は当時リアルタイムで追っていたので、半年間聴き続けてました(2クール目は裏でアニメ艦これがやっていて少し時間が被っていた)。なので、MVが出てくるまでは相当日数がかかっており、曲の全貌も中々出てこなかったので、かなり思い入れの強いシングルです。カップリングの「Sparkling Sky Laser」もすごい好きだな。中間でSxunのパートが入ると一気にバラードに変化するから。
7.Starburst ☆☆★★★実をいうと、ここから先のシングルはちょっと「ダレてる」って感じがしたので、初回盤で買いはしましたが、この次のアルバムが出てくるまでは正直パッとせず。派手な変化を多用していたからか、その急激な曲の変化を楽しみにしていたので、今回はいたってシンプルであったなと。アルバムで聴いてこそ価値のある楽曲だなと思いました。
8.Feeling of Unity ☆★★★★先行MVで「Cast Your Shell」が上がってましたが、ストレートにカッコいいロックだなと思いました。流れるようにスッと頭に入ってくるので、ベガスでこの感覚を味わう日が来るとは。ピアノの入り方も好きです。当時はドローン問題があったので、コメント欄でもなにかと盛り上がっていました。「feat.ノ〇ル」とか。PHASE2とは打って変わり、Starburstの影響もあってか「大人しいな」って印象が強く、前作シングルも、アルバムサイズで聴いてしまえば「控えめな転調」の意味を深く理解できた。パァ~っと盛り上がろうぜ!ってタイプだった今までのアルバムと比べると、見劣りはあるかもしれないが、これは聴く年月が経てば経つほど評価されていく大器晩成型。スルメ。メディアの露出が増え始めたのも、このあたりかな。バカリズムでも紹介されていた。「なんちゃらラスベガス」と。
9.SHINE ☆☆★★★MVでTaikiの頭が爆発していた、歌詞が画面に表示されていて「あ、ちゃんと歌詞にそって歌ってる」っていうことがわかったぐらい。これもシングル単体よりアルバムで聴いたほうがより楽しい。批判しているわけではない。「Starburst」の件もあったので、受け入れるのに時間はかからなかった。
10.New Sunrise ☆★★★★黒く塗り潰され、寝台特急「あけぼの」や新幹線「はやて」を感じさせる太陽のロゴマークが印象的。今まで派手なジャケットアートだったので、このタイプだと逆にすごく気になってしまう。案の定蓋を開けてみれば、前作「Feeling of Unity」よりもやや激しさ、初期衝動を取り戻したかのような感じで、タイトルにふさわしい楽曲群でした。「LLLD」ではじめてMinamiがラップを披露しているけど、普通に歌ってもいい声出すじゃんって思ったし、「Accept Each Other’s Sense of Values」はkeiが一部アニソンパートを歌っているとのことで、なかなか面白い仕上がり。kei本人が血のにじむ努力を重ねた半面、ほかのメンバーは「気が狂いそうだった」と言ってて申し訳ないけどそこも面白かった。「The Sun Also Rises」は、MVで日の出の海岸線をバックにメンバーの映るシーンがあって、ベガスもついに自然と一体になったんだなぁとしみじみ。締めの楽曲としてはこちらも完璧。
11.Greedy ★★★★★シングルとしては、アニメタイアップも影響もあってか「Let Me Hear」以来久しぶりにカッコいい仕上がりで心躍りましたね。1曲目「Greedy」は、これまで実験的にMinamiのラップを使っていたけど、今回は本格採用だぜ!みたいな感じ。本領を発揮したのは「Keep the Heat and Fire Yourself Up」。これまで「Starburst」以降のベガスはちょっと控えめで薄味だったから、イントロを聞いた瞬間「PHASE2時代のベガスが戻ってきた!」って思ってめっちゃワクワクしたのを覚えてます。超嬉しかったよ、超。「Treasure in Your Hand」も2曲目と同じくタイアップだけど、MV中に和訳が出てきたので、ここが彼らにとって一番重要なワードなんだなと受け取った。ちょっと調子取り戻してきたかなと思って結構嬉しかったよね。
12.HYPERTOUGHNESS ★★★★★★まさか「falilv」の公式アカウントから「訃報」の二文字を見るとは夢にも思わず。keiの急逝は本当に衝撃的だった。ラスベガスってベーシストに何かしら不幸を抱えがちなのか?って、結構落ち込んだ。それで苦難を乗り越えた末に出たのがこのアルバムだったけど、Sxunも脱退しちゃったしで、フルメンバーとしては最後の作品になってしまった。
なんだけど、アルバム自体の完成度は「PHASE2」とタメを張れるくらい好きです。「The Stronger, The Further You'll Be」では、MVで新メンバーのTetsuyaが、keiのベースも一緒に持って階段を上っていく映像で「うわぁぁぁぁ~~~~」って声にならない声が出たし、アルバム歌詞カードを見ると10曲目「Where You Belong」のイラスト部分にはkeiのものを思わしきベースが描いてあるしで、とても切ない。
Keiのベースプレイが押し出されている「The Gong of Knockout」。
曲全体を通しても、バキ主題歌の「The Gong of Knockout」は拳と拳、汗と汗のぶつかり合いを感じてアツい、「CURE」はSoとMinamiがまるで泣き叫ぶよう。「Great Strange」は、新しい角度からのアプローチがあって、メンバーが5人になったことから、音の隙間を最大限利用してリズミカル。
「Interlude(Greedy)」「Keep the Heat and Fire Yourself Up」「Treasure in Your Hands」と立て続けにシングル曲を経由し、「Karma」で少し休憩。「Thoughtless Words Have No Value But Just a Noise」は、minamiのデスボイスが、今まで以上にデスボイスってレベルに磨かれていて、Taikiとの掛け合いも見事、遊びのようなおふざけ系カオス曲は健在。
「Where You Belong」は前述通り。「Massive Core」は、そんな苦難の乗り越えた後も元気にやってくぞ!って気迫を感じました。早速Tetsuyaがボーカルで参加しているところも、その表れなんだなと思ってます。
このアルバムがすごく良すぎたんだよ。
13.Cocoon for the Golden Future ☆☆★★★おそらく、スルメの部類に入るアルバム、なので、タイトルが示すように(黄金の未来への繭)、いつかこのアルバムも年を経て楽しめるんじゃないかと。期待を込めて。曲を聴きとおす前に歌詞カードを見たら「Ain't That So Awesome」にハングル文字が見えて一瞬「はっ?」ってなったことだけは明記しておこうと思う。ベガスはついに韓国語も手懐けたのか。ちなみに5人体制になって以降のTaikiもファッションが大人しくなり、代わりに胸毛NGとかいう笑いを搔っ攫っていくから面白すぎた。keiもきっと喜んでる。
アルバム総評としては、「All that~」時代から追いかけてきただけに、彼らの物語を間接的に見てきました。特にベーシストにはジンクスがあるようで、どうか「艦これの響」を映像内でチラつかせていた、若き新ベーシストのTetsuyaには、彼女の通り名「不死鳥」のごとく、彼らベガスを支えてほしいなと願うばかりです。最近は離れ気味だけど、またアルバムが出たら喜んで迎え入れます。以上、Fear, and Lothing in Las Vegasの再評価でした。