MC
「わかりますか?黒のピックです」って言っても急にピックを観客に飛ばす 飛んだ方向から「うおおお」って声が聞こえた。
また急遽、ドクターストップでベースは代役のヨシダタクロー氏。1~2日で演目を仕上げてくるってとんでもねぇ人だなって思った。「ジェバンニが一晩でやってくれました」感。いやでも、ライブ終了時にTKがハグするってことはそれだけ嬉しかったんだろうなーって。ベーシストが不在でピンチなところを助けてもらったんだし。すげぇよ。
MC
"限界"を感じるよりも、"どこまでいけるか"でポジティブになってたTKまじで無理しないでね。前述のMCの時ぐらいからTK本人はかなりハイになってるのも、ひょっとしたら「これまで以上にギターヒーローTKとして、どこまで皆の前で想いを届け、還元させるか」という"人生の折り返しが近づいてきた"と感じさせる年齢故なのかなって思ってしまった。自分がそう。30代とはいえ2倍にすれば60代。人生はまだまだこれからとはいえ、折り返しの岐路に立ちつつあるんだから。
最近特にTKのその歌唱力だと、喉がいつ限界を迎えてもおかしくない状況だし、世界情勢を加味すると殊更彼自身がどのくらい生きていけるのかすらわからない。WhoseBlueがラストアルバムになる可能性だってある。ライブ自体も、「喉が枯れないか」「超絶技巧ギターテクを披露できるのはいつまでか」なんて恐怖心を内包した感じで見がちになってるし。それでも彼は「どこまでいけるのか!」と前向きな姿勢に安堵するんですよね、ヒロアカタイアップしただけにプルスウルトラしてる。本当身体と身の回りの異変には気を付けてください(ただのオタクのお気持ち長文)。
2.Frog Queen ☆★★★★ M1「はじまりの国」のMVが怖いと話題になっていた。怖いというよりは、暗い。なんとなくではあるが、MVの雰囲気は凛として時雨の「illusion is mine」に近いものを感じた。前作がポストロックなら、このアルバムは「オルタナティブロック」であり、ピープルデビュー後、初めての覚醒という立ち位置。M1~M2でテンポを上げてゆく流れが好きだ。各曲がバランスよく配置されており、代表曲を除けば「失業クイーン」「泥の中の生活」「六月の空を照らす」の一連の流れがお気に入り。ラストM9の「一度だけ」は弾き語り(しかも雑音も一緒に録音している)。このような形態での収録自体「一度だけ」だよという意味もこもってるのだろうか。
3.Bird Hotel ☆☆★★★ ライブ終幕定番の「ヨーロッパ」が収録されているアルバム。俺は「完璧な庭」より「海抜0m」のほうが圧倒的に好き。爽やかで瑞々しく、夏の涼しさが同居しているイメージ。もちろんヨーロッパも好きだが、アルバムを通して聴くことは割と少ない。
4.Ghose Apple ☆★★★★ 曜日で曲が区切られていることに、当時は他に見たことが無かったので斬新だと感じた。アルバムジャケットが真っ赤で、歌詞から感じるのは「メンヘラ」。このアルバムもどれが好きかと言われたらかなり悩む。カラオケでよく歌う点では「金曜日」かな。メロディや雰囲気は「月曜日」もいいが、当時は時雨の「Still a Sigure Virgin?」や「just A moment」あたりがドンピシャだったので「火曜日」も良い。日曜日は歌詞を読んで張り裂けそうな気分だったし、読後っぽい感覚で虚無感感じた部分もあった。
6.Family Record ★★★★★★ ザ・傑作。「すごいアルバム」だと本気で思った。ピープルを誰かに勧めるならこれを真っ先に勧める。ここから前作、続編、どちらに進んでもその人をピープル沼に沈める自信がある。旅行趣味なので、旅のお供に聴くことも多かった。このアルバムの頂上は「旧市街」。ピープルというバンドを世間に知らしめた不朽のロックナンバー。MVも含めてPeople In The Boxというバンドのトリッキーな面が全面に押し出されていてエグい。カラオケでも頻繁に歌う。特に後半の「スルツェイ」「JFK空港」「どこでもないところ」は余韻と読後感が長く続く。
8.Citizen Soul ★★★★★ People In The Box 第二部開幕。これまでエレキギターに重きを置いていたギターサウンドに変化が。アコースティックギターでの演奏頻度が上がり、これによってメロディーはよりクリアで繊細な音を刻み、波多野自身の声色も合わさり、より解像度が上がったなと思う。とはいえ、相変わらず不思議で難しい曲が多い。メインナンバーと思われる「ニムロッド」は芥川賞作品のタイトルにもなっているし、二コラとテスラはドラムのリズムが一瞬無音になるし、面白いがすぎる。汽笛のイントロのカラカラ音も好きだな。環境音にヒグラシの鳴き声が入ってる「親愛なるニュートン街」のおかげで、このアルバムの季節感は"夏の夕暮れ"。
14.Calm Society ★★★★★ ピープルという存在を知った頃は、これが新譜だった。ライブ会場でしか売ってないとのことで、なかなか聴く機会を得られなかった。その後ライブに参戦した際にグッズ売り場で発見したため購入。「ダイゴマンの部屋」で聴きなれたメロディの正体はこれだったか。M1「海はセメント」のイントロ、これパチンコ屋から聞こえてくる音に似てる。カラオケでも気に入ってよく歌っている。シングルの中ではリピート率もかなり高い。M2とM3も、これまでの季節的なイメージを持ったアルバムたちから一転して無季節かつ無機物感が強く、例えるとコンクリートむき出しのオブジェクト、と、海。わかりやすく言うならば、お台場の晴海ふ頭にある船着き場。
18.Tabula Rasa ☆★★★★ 西川口のライブハウスで聴いて、アルバムを購入して、ピープルに浸かった一日。そんな良き思い出があるアルバムです。子供連合が凄すぎて、こちらはなんだかやや「物足りない」という印象。懐胎した犬のブルースは名曲。もし聴く機会があれば、歌詞カードを読みながら聴くといい。いい意味でピープルの面白さに触れられる。