Fear, and Lothing in Las Vegas(以下:ベガス)との出会いは、高校生の頃。土曜日の午前中にアニメ「HUNTER×HUNTER」を偶然見かけたときで、エンディングが何を言ってるのか分からず、そこが逆に気になってしまったから。その曲とはJustAwakeなんですけど、MVは全編英語詞だったので違和感が。
そこから次に聴いたのが「Jump Around」と「Scream hard as you can」だったんですが、後者の楽曲で完全に沼に落とされました。めっちゃカッコいい転調だなと思って。ゴリゴリのギターロックで、サビ前のキーボードがいい味を出してる。途中の具レイクダウンでminamiのデスボイスとシャウトが入ると、いきなりEDMに変身。MVの背景もボーカロイドみたいなデジタル調に変わり、その変化の激しさで虜になってしまいました。初めて聞いたときは本当に「え?」って具合で脳細胞が楽曲の変化に追いつけないという、後にも先にも感じたことない初めてのリアクション。パソコンで例えるとF5連打しまくってフリーズする、みたいな。
初期から既に方向性が定まっているとあるように、ダンスミュージック要素が強く、イントロはワクワクするようなものが多い。今ではほとんどの曲が3分強で、カップラーメンを待ってる間に1曲聴ける感じだけど、この頃は4分超える曲がチラホラと。「Burn the Disco Floor with Your "2-step"!!」「Stray in Chaos」「Love at First Sight」が好き。
この曲は初期ベガスの傑作なんじゃないかと思う。
2.NEXTREME ★★★★★
大好きな「Jump Around」と「Believe Yourself」「Short but Seems Long, Time of Our Life」が入っている。「Chase the Light!」はアニメカイジの主題歌で、こちらもMVが面白い。後半のブレイクダウンでminamiのデスボイス、からSoの爽やかな歌い上げというドラマチックな展開。いくつかは和訳も調べているけど、いわゆる「エモ」「感傷」にパラメータを振っている感じ。「Believe Yourself」はSoのオートチューン無し、生声でバラード交じりだし、ラストを飾る「Short but Seems Long, Time of Our Life」も情に訴えてくる。曲全体を通して、ベガスのアルバムとしてはややネガティブで曇り空な雰囲気を感じる曲が大半を占めている印象です。ミニアルバムなので気軽にフル視聴できるし、個人的には自身の性格も含めて、哀しい気持ちを抱いているときとかに聞くと結構沁みる。
そして新メンバーにkeiが加入して、開け放たれた新生ベガス第一弾が「Rave-up Tonight」だったけど、Soのキーが上がる、Sxunがコーラスで入ってる、Taikiがアメリカ人みたいな格好をしている、Minamiのシャウトで「戻ってきた!」と感激し、新メンバーkeiの「スラップベース」で男心を唸らせる。この一連の流れるほんの数十秒でやってのける、最新情報の多さに圧倒。中盤でのMinamiソロパートがエグすぎてCPUがすっと呆然としていた。前作「All That We Have Now」を大きく飛び越えた新曲で、ベガスの新たな可能性にワクワクさせられました。いやぁ、あのころ初めて聞いた時の衝撃はすごかった。ちなみに「The Courage to Take Action」のTaikiが好きでな。
5.PHASE 2 ★★★★★★
めっっっちゃ好きです。このアルバム。
前作「Rave-up Tonight」を含めて、よりブラッシュアップされた感じ。余分な脂肪を落としたような作品。非の打ち所がないだけに、語る量も少ない。曲としては「Thunderclap」のMVと展開がベガスの中でもトップ3に入るぐらいは今でも超気に入ってるし(Minamiのショルダーキーボードでまたしても脳が理解を止める)、当時アニメで観ていたブリュンヒルデのOP「Virtue and Vice」は農夫のTaikiと木に登るSoがツボだったし、「Nail the Shit Down」「Rain Inside Your Eyes」「Flutter of Cherry Blossom」はエモすぎてたまらん。ラストは7分超えの「Stay as Who You Are」。始まりから終わりまで完璧。
先行MVで「Cast Your Shell」が上がってましたが、ストレートにカッコいいロックだなと思いました。流れるようにスッと頭に入ってくるので、ベガスでこの感覚を味わう日が来るとは。ピアノの入り方も好きです。当時はドローン問題があったので、コメント欄でもなにかと盛り上がっていました。「feat.ノ〇ル」とか。PHASE2とは打って変わり、Starburstの影響もあってか「大人しいな」って印象が強く、前作シングルも、アルバムサイズで聴いてしまえば「控えめな転調」の意味を深く理解できた。パァ~っと盛り上がろうぜ!ってタイプだった今までのアルバムと比べると、見劣りはあるかもしれないが、これは聴く年月が経てば経つほど評価されていく大器晩成型。スルメ。メディアの露出が増え始めたのも、このあたりかな。バカリズムでも紹介されていた。「なんちゃらラスベガス」と。
黒く塗り潰され、寝台特急「あけぼの」や新幹線「はやて」を感じさせる太陽のロゴマークが印象的。今まで派手なジャケットアートだったので、このタイプだと逆にすごく気になってしまう。案の定蓋を開けてみれば、前作「Feeling of Unity」よりもやや激しさ、初期衝動を取り戻したかのような感じで、タイトルにふさわしい楽曲群でした。「LLLD」ではじめてMinamiがラップを披露しているけど、普通に歌ってもいい声出すじゃんって思ったし、「Accept Each Other’s Sense of Values」はkeiが一部アニソンパートを歌っているとのことで、なかなか面白い仕上がり。kei本人が血のにじむ努力を重ねた半面、ほかのメンバーは「気が狂いそうだった」と言ってて申し訳ないけどそこも面白かった。「The Sun Also Rises」は、MVで日の出の海岸線をバックにメンバーの映るシーンがあって、ベガスもついに自然と一体になったんだなぁとしみじみ。締めの楽曲としてはこちらも完璧。
11.Greedy ★★★★★
シングルとしては、アニメタイアップも影響もあってか「Let Me Hear」以来久しぶりにカッコいい仕上がりで心躍りましたね。1曲目「Greedy」は、これまで実験的にMinamiのラップを使っていたけど、今回は本格採用だぜ!みたいな感じ。本領を発揮したのは「Keep the Heat and Fire Yourself Up」。これまで「Starburst」以降のベガスはちょっと控えめで薄味だったから、イントロを聞いた瞬間「PHASE2時代のベガスが戻ってきた!」って思ってめっちゃワクワクしたのを覚えてます。超嬉しかったよ、超。「Treasure in Your Hand」も2曲目と同じくタイアップだけど、MV中に和訳が出てきたので、ここが彼らにとって一番重要なワードなんだなと受け取った。ちょっと調子取り戻してきたかなと思って結構嬉しかったよね。
なんだけど、アルバム自体の完成度は「PHASE2」とタメを張れるくらい好きです。「The Stronger, The Further You'll Be」では、MVで新メンバーのTetsuyaが、keiのベースも一緒に持って階段を上っていく映像で「うわぁぁぁぁ~~~~」って声にならない声が出たし、アルバム歌詞カードを見ると10曲目「Where You Belong」のイラスト部分にはkeiのものを思わしきベースが描いてあるしで、とても切ない。
Keiのベースプレイが押し出されている「The Gong of Knockout」。
曲全体を通しても、バキ主題歌の「The Gong of Knockout」は拳と拳、汗と汗のぶつかり合いを感じてアツい、「CURE」はSoとMinamiがまるで泣き叫ぶよう。「Great Strange」は、新しい角度からのアプローチがあって、メンバーが5人になったことから、音の隙間を最大限利用してリズミカル。
「Interlude(Greedy)」「Keep the Heat and Fire Yourself Up」「Treasure in Your Hands」と立て続けにシングル曲を経由し、「Karma」で少し休憩。「Thoughtless Words Have No Value But Just a Noise」は、minamiのデスボイスが、今まで以上にデスボイスってレベルに磨かれていて、Taikiとの掛け合いも見事、遊びのようなおふざけ系カオス曲は健在。
「Where You Belong」は前述通り。「Massive Core」は、そんな苦難の乗り越えた後も元気にやってくぞ!って気迫を感じました。早速Tetsuyaがボーカルで参加しているところも、その表れなんだなと思ってます。
このアルバムがすごく良すぎたんだよ。
13.Cocoon for the Golden Future ☆☆★★★
おそらく、スルメの部類に入るアルバム、なので、タイトルが示すように(黄金の未来への繭)、いつかこのアルバムも年を経て楽しめるんじゃないかと。期待を込めて。曲を聴きとおす前に歌詞カードを見たら「Ain't That So Awesome」にハングル文字が見えて一瞬「はっ?」ってなったことだけは明記しておこうと思う。ベガスはついに韓国語も手懐けたのか。ちなみに5人体制になって以降のTaikiもファッションが大人しくなり、代わりに胸毛NGとかいう笑いを搔っ攫っていくから面白すぎた。keiもきっと喜んでる。