◆Fear, and Lothing in Las Vegas は肌感覚で聴いている。
だから、時々挟まれる日本語詞にはドキッとくるし、キャッチーな歌い方をするからそこにエモ(情緒)を感じる。
ということで、音楽の再評価。
細かいマニアックなネタは置いて(話すと長くなっちゃうから)、ラスベガスのアルバムと一部シングルの感想を書きます。
Fear, and Lothing in Las Vegas(以下:ベガス)との出会いは、高校生の頃。土曜日の午前中にアニメ「HUNTER×HUNTER」を偶然見かけたときで、エンディングが何を言ってるのか分からず、そこが逆に気になってしまったから。その曲とはJustAwakeなんですけど、MVは全編英語詞だったので違和感が。
そこから次に聴いたのが「Jump Around」と「Scream hard as you can」だったんですが、後者の楽曲で完全に沼に落とされました。めっちゃカッコいい転調だなと思って。ゴリゴリのギターロックで、サビ前のキーボードがいい味を出してる。途中の具レイクダウンでminamiのデスボイスとシャウトが入ると、いきなりEDMに変身。MVの背景もボーカロイドみたいなデジタル調に変わり、その変化の激しさで虜になってしまいました。初めて聞いたときは本当に「え?」って具合で脳細胞が楽曲の変化に追いつけないという、後にも先にも感じたことない初めてのリアクション。パソコンで例えるとF5連打しまくってフリーズする、みたいな。
「Scream hard as you can」
「Jump Around」
こちらは打って変わり、俺の中の、夏ソング一角。こちらも転調と同時にMV映像も美しい南国の夕陽みたいな変化があって、気持ちがいい。飛び跳ねるような曲調が、助走をつけて疾走する。ちょっとハワイアンな感じがする。不思議。
では、再評価はいります(個人差があります)。前述したように肌感覚で聴いてるタイプなので、曲名も覚えていたりそうじゃなかったり。でも追っかけてます。
1.Dance & Scream ☆★★★★
初期から既に方向性が定まっているとあるように、ダンスミュージック要素が強く、イントロはワクワクするようなものが多い。今ではほとんどの曲が3分強で、カップラーメンを待ってる間に1曲聴ける感じだけど、この頃は4分超える曲がチラホラと。「Burn the Disco Floor with Your "2-step"!!」「Stray in Chaos」「Love at First Sight」が好き。
この曲は初期ベガスの傑作なんじゃないかと思う。
2.NEXTREME ★★★★★
大好きな「Jump Around」と「Believe Yourself」「Short but Seems Long, Time of Our Life」が入っている。「Chase the Light!」はアニメカイジの主題歌で、こちらもMVが面白い。後半のブレイクダウンでminamiのデスボイス、からSoの爽やかな歌い上げというドラマチックな展開。いくつかは和訳も調べているけど、いわゆる「エモ」「感傷」にパラメータを振っている感じ。「Believe Yourself」はSoのオートチューン無し、生声でバラード交じりだし、ラストを飾る「Short but Seems Long, Time of Our Life」も情に訴えてくる。曲全体を通して、ベガスのアルバムとしてはややネガティブで曇り空な雰囲気を感じる曲が大半を占めている印象です。ミニアルバムなので気軽にフル視聴できるし、個人的には自身の性格も含めて、哀しい気持ちを抱いているときとかに聞くと結構沁みる。
3.All That We Have Now ☆★★★★
俺の始まりのベガス。レンチキュラー仕様の派手で綺麗なジャケットアートで衝撃を受けたし、このジャケアートに負けないレベルで1曲目からフルスロットルなものだから、すぐに引き込まれてしまった。高校生時代、それも音楽より電車のほうに興味が強かった時代。ベガスを知る前は、藍坊主とかビートルズとかの世界にいたので、ここまでけたたましい音が鳴り響くアルバムを聴いたのは生まれて初めてだっただけに、強炭酸のサイダーとかコーラとかCCレモンをずっと浴びせられてる感じだった。「こんな音楽がこの世にあるのか」的な。全曲お気に入りなので、個別の感想は控えさせていただきたく。
4.Rave-up Tonight ☆★★★★
ベースのMashuが脱退するニュースを聞いた。耳が肥えてないせいかもだけど、ベースの音があまり聞こえている感じがしなくて、そこに引っかかっていた印象もあった。後年Mashu含めたインタビュー冊子でも彼だけちょっと暗かったし、そのころからベガスのペースに追いつけなくなってたのかなと。かなりストイックに音作りをしていると聴いて自分もヒエッってなったので、多分俺もMashuと感覚は似ているかもしれない。当時は、メンバーのことも、彼らの作曲の姿勢も、殆どが謎に包まれていましたから(メディアの露出がかなり抑えられていた)。
そして新メンバーにkeiが加入して、開け放たれた新生ベガス第一弾が「Rave-up Tonight」だったけど、Soのキーが上がる、Sxunがコーラスで入ってる、Taikiがアメリカ人みたいな格好をしている、Minamiのシャウトで「戻ってきた!」と感激し、新メンバーkeiの「スラップベース」で男心を唸らせる。この一連の流れるほんの数十秒でやってのける、最新情報の多さに圧倒。中盤でのMinamiソロパートがエグすぎてCPUがすっと呆然としていた。前作「All That We Have Now」を大きく飛び越えた新曲で、ベガスの新たな可能性にワクワクさせられました。いやぁ、あのころ初めて聞いた時の衝撃はすごかった。ちなみに「The Courage to Take Action」のTaikiが好きでな。
5.PHASE 2 ★★★★★★
めっっっちゃ好きです。このアルバム。
前作「Rave-up Tonight」を含めて、よりブラッシュアップされた感じ。余分な脂肪を落としたような作品。非の打ち所がないだけに、語る量も少ない。曲としては「Thunderclap」のMVと展開がベガスの中でもトップ3に入るぐらいは今でも超気に入ってるし(Minamiのショルダーキーボードでまたしても脳が理解を止める)、当時アニメで観ていたブリュンヒルデのOP「Virtue and Vice」は農夫のTaikiと木に登るSoがツボだったし、「Nail the Shit Down」「Rain Inside Your Eyes」「Flutter of Cherry Blossom」はエモすぎてたまらん。ラストは7分超えの「Stay as Who You Are」。始まりから終わりまで完璧。
今まで本気でやっていた分、メンバー脱退もあり、方向性も以前よりかっちりして余裕ができたのだろうか、要所要所でネタをぶち込み視聴者を笑わせにくるので、ギャグとカッコいいとシリアスがせめぎ合っている。彼らも本当の意味でユーモアを覚えたのだろうな。
6.Let Me Hear ★★★★★
Taikiが船長になったシングル。寄生獣は当時リアルタイムで追っていたので、半年間聴き続けてました(2クール目は裏でアニメ艦これがやっていて少し時間が被っていた)。なので、MVが出てくるまでは相当日数がかかっており、曲の全貌も中々出てこなかったので、かなり思い入れの強いシングルです。カップリングの「Sparkling Sky Laser」もすごい好きだな。中間でSxunのパートが入ると一気にバラードに変化するから。
7.Starburst ☆☆★★★
実をいうと、ここから先のシングルはちょっと「ダレてる」って感じがしたので、初回盤で買いはしましたが、この次のアルバムが出てくるまでは正直パッとせず。派手な変化を多用していたからか、その急激な曲の変化を楽しみにしていたので、今回はいたってシンプルであったなと。アルバムで聴いてこそ価値のある楽曲だなと思いました。
8.Feeling of Unity ☆★★★★
先行MVで「Cast Your Shell」が上がってましたが、ストレートにカッコいいロックだなと思いました。流れるようにスッと頭に入ってくるので、ベガスでこの感覚を味わう日が来るとは。ピアノの入り方も好きです。当時はドローン問題があったので、コメント欄でもなにかと盛り上がっていました。「feat.ノ〇ル」とか。PHASE2とは打って変わり、Starburstの影響もあってか「大人しいな」って印象が強く、前作シングルも、アルバムサイズで聴いてしまえば「控えめな転調」の意味を深く理解できた。パァ~っと盛り上がろうぜ!ってタイプだった今までのアルバムと比べると、見劣りはあるかもしれないが、これは聴く年月が経てば経つほど評価されていく大器晩成型。スルメ。メディアの露出が増え始めたのも、このあたりかな。バカリズムでも紹介されていた。「なんちゃらラスベガス」と。
9.SHINE ☆☆★★★
MVでTaikiの頭が爆発していた、歌詞が画面に表示されていて「あ、ちゃんと歌詞にそって歌ってる」っていうことがわかったぐらい。これもシングル単体よりアルバムで聴いたほうがより楽しい。批判しているわけではない。「Starburst」の件もあったので、受け入れるのに時間はかからなかった。
10.New Sunrise ☆★★★★
黒く塗り潰され、寝台特急「あけぼの」や新幹線「はやて」を感じさせる太陽のロゴマークが印象的。今まで派手なジャケットアートだったので、このタイプだと逆にすごく気になってしまう。案の定蓋を開けてみれば、前作「Feeling of Unity」よりもやや激しさ、初期衝動を取り戻したかのような感じで、タイトルにふさわしい楽曲群でした。「LLLD」ではじめてMinamiがラップを披露しているけど、普通に歌ってもいい声出すじゃんって思ったし、「Accept Each Other’s Sense of Values」はkeiが一部アニソンパートを歌っているとのことで、なかなか面白い仕上がり。kei本人が血のにじむ努力を重ねた半面、ほかのメンバーは「気が狂いそうだった」と言ってて申し訳ないけどそこも面白かった。「The Sun Also Rises」は、MVで日の出の海岸線をバックにメンバーの映るシーンがあって、ベガスもついに自然と一体になったんだなぁとしみじみ。締めの楽曲としてはこちらも完璧。
11.Greedy ★★★★★
シングルとしては、アニメタイアップも影響もあってか「Let Me Hear」以来久しぶりにカッコいい仕上がりで心躍りましたね。1曲目「Greedy」は、これまで実験的にMinamiのラップを使っていたけど、今回は本格採用だぜ!みたいな感じ。本領を発揮したのは「Keep the Heat and Fire Yourself Up」。これまで「Starburst」以降のベガスはちょっと控えめで薄味だったから、イントロを聞いた瞬間「PHASE2時代のベガスが戻ってきた!」って思ってめっちゃワクワクしたのを覚えてます。超嬉しかったよ、超。「Treasure in Your Hand」も2曲目と同じくタイアップだけど、MV中に和訳が出てきたので、ここが彼らにとって一番重要なワードなんだなと受け取った。ちょっと調子取り戻してきたかなと思って結構嬉しかったよね。
12.HYPERTOUGHNESS ★★★★★★
まさか「falilv」の公式アカウントから「訃報」の二文字を見るとは夢にも思わず。keiの急逝は本当に衝撃的だった。ラスベガスってベーシストに何かしら不幸を抱えがちなのか?って、結構落ち込んだ。それで苦難を乗り越えた末に出たのがこのアルバムだったけど、Sxunも脱退しちゃったしで、フルメンバーとしては最後の作品になってしまった。
なんだけど、アルバム自体の完成度は「PHASE2」とタメを張れるくらい好きです。「The Stronger, The Further You'll Be」では、MVで新メンバーのTetsuyaが、keiのベースも一緒に持って階段を上っていく映像で「うわぁぁぁぁ~~~~」って声にならない声が出たし、アルバム歌詞カードを見ると10曲目「Where You Belong」のイラスト部分にはkeiのものを思わしきベースが描いてあるしで、とても切ない。
Keiのベースプレイが押し出されている「The Gong of Knockout」。
曲全体を通しても、バキ主題歌の「The Gong of Knockout」は拳と拳、汗と汗のぶつかり合いを感じてアツい、「CURE」はSoとMinamiがまるで泣き叫ぶよう。「Great Strange」は、新しい角度からのアプローチがあって、メンバーが5人になったことから、音の隙間を最大限利用してリズミカル。
「Interlude(Greedy)」「Keep the Heat and Fire Yourself Up」「Treasure in Your Hands」と立て続けにシングル曲を経由し、「Karma」で少し休憩。「Thoughtless Words Have No Value But Just a Noise」は、minamiのデスボイスが、今まで以上にデスボイスってレベルに磨かれていて、Taikiとの掛け合いも見事、遊びのようなおふざけ系カオス曲は健在。
「Where You Belong」は前述通り。「Massive Core」は、そんな苦難の乗り越えた後も元気にやってくぞ!って気迫を感じました。早速Tetsuyaがボーカルで参加しているところも、その表れなんだなと思ってます。
このアルバムがすごく良すぎたんだよ。
Keiのベースプレイが押し出されている「The Gong of Knockout」。
曲全体を通しても、バキ主題歌の「The Gong of Knockout」は拳と拳、汗と汗のぶつかり合いを感じてアツい、「CURE」はSoとMinamiがまるで泣き叫ぶよう。「Great Strange」は、新しい角度からのアプローチがあって、メンバーが5人になったことから、音の隙間を最大限利用してリズミカル。
「Interlude(Greedy)」「Keep the Heat and Fire Yourself Up」「Treasure in Your Hands」と立て続けにシングル曲を経由し、「Karma」で少し休憩。「Thoughtless Words Have No Value But Just a Noise」は、minamiのデスボイスが、今まで以上にデスボイスってレベルに磨かれていて、Taikiとの掛け合いも見事、遊びのようなおふざけ系カオス曲は健在。
「Where You Belong」は前述通り。「Massive Core」は、そんな苦難の乗り越えた後も元気にやってくぞ!って気迫を感じました。早速Tetsuyaがボーカルで参加しているところも、その表れなんだなと思ってます。
このアルバムがすごく良すぎたんだよ。
13.Cocoon for the Golden Future ☆☆★★★
おそらく、スルメの部類に入るアルバム、なので、タイトルが示すように(黄金の未来への繭)、いつかこのアルバムも年を経て楽しめるんじゃないかと。期待を込めて。曲を聴きとおす前に歌詞カードを見たら「Ain't That So Awesome」にハングル文字が見えて一瞬「はっ?」ってなったことだけは明記しておこうと思う。ベガスはついに韓国語も手懐けたのか。ちなみに5人体制になって以降のTaikiもファッションが大人しくなり、代わりに胸毛NGとかいう笑いを搔っ攫っていくから面白すぎた。keiもきっと喜んでる。
アルバム総評としては、「All that~」時代から追いかけてきただけに、彼らの物語を間接的に見てきました。特にベーシストにはジンクスがあるようで、どうか「艦これの響」を映像内でチラつかせていた、若き新ベーシストのTetsuyaには、彼女の通り名「不死鳥」のごとく、彼らベガスを支えてほしいなと願うばかりです。最近は離れ気味だけど、またアルバムが出たら喜んで迎え入れます。
以上、Fear, and Lothing in Las Vegasの再評価でした。
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